昨日は、明日関東を直撃する台風19号に備えて、庭の植木鉢を片付けたり、窓ガラスにテープを貼って補強したりしていました。今世紀最強クラスと言われている台風19号ですが、なんとか無事に通り過ぎてくれることを願うばかりです。
さて、今回はダイエットの話です。
先週、市が主催する食事指導に参加してきました。ワタシ的にはかなり衝撃的な内容で、要約すれば今日のタイトルの「脂肪は食べても太らない」というものでした。
もくじ
三大栄養素
私も長年、ダイエットを続けていますが、初期に体重が3kgほど減ったきり、それ以上なかなか痩せなくなっています。
かつての私のコンセプトは、体脂肪を落とすには「脂肪を摂らない」こと・・・と信じ、肉類を極力避けた食生活をしていました。
しかし、今回の食事指導で、そのダイエット法が完全な間違いであったことが解りました。
私たちが食事から摂取する栄養素は 脂質、糖質(炭水化物)、タンパク質 で、これを三大栄養素と言っています。
これらは、重要な3つの栄養素ですから、どれが欠けてもダメなのですが・・・
脂肪に直結する糖質
私のこれまでのダイエット法は、「脂肪を摂らない」でしたので、減らした脂肪分に代えて炭水化物(ご飯や麺類、パスタ、パンなどの穀類)やフルーツ(果糖やブドウ糖を多く含む)を多く摂っていました。 これが第一の誤算でした。
糖質(炭水化物)は身体活動のエネルギー源となる重要な栄養素(特に、脳はエネルギー源としてブドウ糖しか利用できません)です。糖質が消化管から吸収されると血糖となって身体全体に行き渡りますが、実のところ、身体が1日に消費できる糖質の量はせいぜい1500 Kcal.(キロカロリー)でしかありません。
それを越えるとどうなるかと言うと、糖は中性脂肪を経て優先的に「体脂肪」となり、エネルギー源としてストックされます。ここでのポイントは、糖質が中性脂肪になる際には殆どエネルギーを使わない・・・ということです。
糖質1gは4kcal.に相当しますから、1日あたり 1500 Kcal.÷4 Kcal.=375g 以内の糖質摂取に抑えておけば、体脂肪は増えない・・・と言うことになります。
ちなみに、ご飯一杯(150g)あたりの糖質は55.2g;食パン(6枚切り)の1枚(60g)で66.7g;中華麺130gで69.7g ですから、朝に食パン一枚、昼にラーメン一杯、夜にご飯一杯食べると、これだけで、糖質が約191.6gとなり、1日処理可能量の約半分となります。
その他にもおかずや間食などから糖質が摂取されますので、1日あたり375gの糖質は、油断すると直ぐに越えてしまいます。
脂肪は悪者ではない
脂肪(脂質)というと、動脈硬化の原因であるLDLコレステロールが思い浮かびますが、ヒトの身体にはコレステロールが必要不可欠なのです。
ヒトの身体には約37兆個(一説には60兆個)の細胞があると言われていますが、これらの細胞を覆っている細胞膜はコレステロール(リン脂質)でできています。
(http://www.lechene-cosme.com/ohadanohanashi1608.html より)
さらに、ホルモンの構成成分であったり、脂溶性ビタミン(ビタミンA・D・E・Kなど)の吸収を促進したり、皮下脂肪として、臓器を保護したり、体を寒冷から守ったりする働きもあります。
つまり、脂肪を制限するダイエットはかなり身体に悪い方法・・・と言うことができます。
脂肪は、消化管で脂肪酸とコレステロールに分解されて吸収され、体内でエネルギーとして使われます。使い切れなかった脂肪酸やコレステロールは・・・ここからがポイントですが・・・
・・・体内でストックするために、脂肪の原料である中性脂肪に変換されます。しかし、このときに糖質(グルコース)が変換エネルギーとして使われます。つまり、食物として摂取した脂肪が体内で体脂肪として蓄えられるためには、糖質の消費が必要となるのです!!!
ほとんど努力せずに体脂肪となる糖質とくらべると、摂取した脂肪が体脂肪となるためには努力(糖質エネルギー)が必要なのです。従いまして、同じエネルギー(カロリー)量を得たとしても、糖質よりも 脂質の方が脂肪になりにくい!!! と言うことなのです。
タンパク質は脂肪にならない
さて、三大栄養素の最後としてのタンパク質ですが、タンパク質というものは、多数のアミノ酸が繋がった鎖が複雑に絡み合って、3次元構造となったものです。
タンパク質は、消化管の中でアミノ酸に分解されて体内に吸収されます。しかし、これらのアミノ酸は、糖質(グルコースなど)や脂質(脂肪酸など)に比べると、吸収するのにずっと多くのエネルギーが必要となります。つまり、カロリーが消費されるのです。
この様に、食事をすることで消費されるカロリーのことを「食事誘発性熱産生」と言いますが、その割合はタンパク質が30%、糖質が6%、脂質は4%だそうです。例えば100Kcalのタンパク質を消化・吸収するためにはその30%、即ち、30Kcalが必要となりますので、吸収される実質カロリーは70Kcalになる・・・ということです。
吸収されたアミノ酸は、体内でのタンパク質合成の材料として使われたり、筋肉を動かすエネルギーとして使われます。1日に消費されるアミノ酸の量はおおよそ30gと言われていますが、これには大きな個体差や性差(男女差)、人種差があります。
また、吸収されたアミノ酸の特徴としまして、体内で使われずに余ったアミノ酸は、その殆どが体外に排出され、ストックとして脂肪に変わるのはほんの少量だと言われています。糖質や脂質は違って、タンパク質(アミノ酸)は体内に蓄積しにくいという特徴を持っています。
つまり、体脂肪として蓄積される栄養素は・・・
糖質 > 脂質 > タンパク質
の順で優先されているのです。
ですので、ダイエットに関して言えば、最も優先的に体脂肪となる糖質を控えることが合理的と言えます。
絶食ダイエットはダメ!
いずれにしろ、太るのはカロリーの摂りすぎが原因ですから、摂取するカロリーを減らせば効率よく痩せられると考えるは、当然のことです。
しかし、ここにも落とし穴があります。
飢餓モードがONになる
極端な絶食ダイエットを続けて、1日の活動に必要なエネルギーが持続的に摂取できなくなると、人間の脳は「飢餓状態に入った」と認識します。そして、脳は身体に指令を出して、飢餓状態スイッチをONにします。
すると、身体は飢餓状態でもできるだけ長く生きられる様に「省エネ」状態を作り出します。その一番が、筋肉を減らすことです。組織単位での消費エネルギーを比較すると、筋肉が最も消費エネルギーが多いので、エネルギーを少しでも保つために、まず、筋肉を減らす活動が始まります。
海難事故などで、救命ボートや救命いかだなどに乗って漂流を続けると、途端に脚の筋肉が落ちていきます。そのため、救助されたときにうまく歩けない・・・という事例が多く報告されています。
これは一種の防衛本能で、十分な食事が摂れない状況が続くことで、飢餓状態を認識した身体が省エネ状態になり、生命を維持するために、漂流で使わなくなった脚の筋肉を減らしていくのです。
ですので、「食べない」というダイエットをすると、不要な脂肪は減らずに、必要な筋肉が減っていってしまいます。
適度に食べるダイエット
そこで、ダイエットのポイントは、脳に飢餓状態を認識させないことです。
食べないダイエットは食欲を満たせないという精神的ストレスが極めて強いため、長続きできないことが多く、また、ダイエットを止めた際には効率よくエネルギーを摂るために糖質(ご飯、麺類、お菓子やケーキ)を過度に食べてしまいます。
ところが、省エネモードになっている身体では、一気に入ってきたエネルギーを使い切れないため、余剰エネルギーを体脂肪に変えてストックします。・・・これがいわゆるダイエット後の「リバウンド」と呼ばれる現象です。
そこで、脳に飢餓状態を認識させず、また、食欲を満たせないという精神的ストレスを減らすためにお勧めするのが、「適度に食べるダイエット」です。
ただし、ここで気をつけなければならないのが,何を適度に食べるか???と言うことです。
糖質ダイエットとは
上述の様に、身体でエネルギーとして消費されるのは糖質と脂質ですが、糖質が優先的に使われます。しかし、体内に十分な糖質があると蓄えてある体脂肪は使われず、また、二次エネルギーである脂質が脂肪に変わり、結果として体脂肪が増えてしまいます。
そこで、体内の糖質を減らしていけば、蓄えてある脂肪が糖質に変わって、体脂肪が減ることになります。ここでのポイントは、
体内のエネルギー源は糖である
と言うことです。
ただし、単に糖質を減らしただけでは、結局はエネルギー不足になって絶食ダイエットと同じことになってしまいます。
そこで重要なのが、食事の内容です。どの様な食事の内容が最も効率的なダイエットになるかは、次回に紹介させていただきます。
デハデハ