皆さんこんにちはPartner of Medical Translatorsの津村です。

今日は、英文を書くときに前置詞をうまく使うと、スラスラ?と行く技を例文を交えながら考えてみましょう。

 前置詞とは何か?

前置詞とは、名詞や名詞句の前に付けて、幹となる文に様々な説明を繋げる時に使う単語です。代表的な前置詞としては次の様なものがあります。

at, in, on, to, for, of, from, by, over, under, through, after, before, between, around, until, till, during, with, near, along, among, beside, off, toward, into,・・・・

前置詞はそれぞれ独自の意味を持ち、英文の中では文の意味を決定付けるような重要な役割を持っています。たくさんあるので圧倒されてしまいますが、すべてに共通することは『前置詞のつぎには名詞(名詞句)が来る』ということです。

例えば;

I bought a book.(私は本を買った。)

という幹になる文を考えてみましょう。これは第3文型(S+V+O)で、前置詞はなにも含まれていません。この様な幹となる文に、「免疫学の(本)」とか、「渋谷の」とか「XYZ書店で」とかの説明を付け加えていく時に前置詞が活躍するのです。

前置詞を使った説明の付加された文は次の様になります。

I bought a book on immunology at the XYZ book store in Shibuya.

この様に、英文を書くときのコツは、まず

  1. 前置詞を含まない幹となる英文を作る ⇒ I bought a book.
  2. その幹に枝葉となる(実はこっちの方が情報として重要なのですが・・・)前置詞付きの名詞(句)をくっつけていきます。
  3. 原則は、 幹文+場所+日時 と言われています。(ですが、解りやすければ、順番はあまりこだわりません。)

 時を表す前置詞

臨床試験の実施計画書などには臨床検査や身体検査の実施時期がきっちりと設定されています。

例えば;

Physical examination will be conducted at the Visit 1.

(Visit 1の来院時に身体検査を行う)

などの様に、実施のタイミングは「時を表す前置詞」を使って表されます。時を表す前置詞としては以下の様なものがあります。

atinonforfrombyoverbefore,  after,  since,  once,  till,  until,  within

これらの使い方について、解説しましょう。

次の英文での身体検査の実施のタイミングを説明してみてください。

例文1: Physical examination was conducted at the sixth month.

例文2: Physical examination was conducted on the hird week of sixth month.

例文3: Physical examination was conducted in the sixth month.

例文4: Physical examinations were conducted by the final visit.

例文5: Physical examinations were conducted until the final visit.

例文6: Physical examinations were conducted over the study period.

例文7: Physical examinations were conducted through the study period.

例文8: Physical examination was conducted before the final evaluation.

例文9: Physical examination was conducted after the first administration.

 at < on < in

まずは例文1~3にある様な、基本的な前置詞at、on、inを見てみましょう。

例文1のat the sixth monthは「6カ月目の時点で」と言う意味ですが、治験開始時からみて「ちょうど6カ月目の日に…」という感覚です。この場合の許容範囲は極めて狭く、せいぜい±1日といったところでしょう。

例文2のon the third week of sixth monthは「6カ月目の第3週で」と言う意味ですが、「6カ月目の第3週の7日間の内のいずれかの日に…」という感覚で、atよりも許容範囲が広がります。

最後の例文3のin the sixth monthは「6カ月目に」と言う意味ですが、許容範囲はさらに広がって「6カ月目の1カ月間の内のいずれかの日に…」という感覚になります。

この様にatは「限定された時間(場所)」を表し、inは「おおよその時間(場所)」を表します。そして、onはその中間という感じです。

皆さんも学校の授業で、atは時間の前に付ける(at seven o’clock)、onは日付や曜日の前に付ける(on May 21st)、inは月、季節、年の前に付ける(in 2020)というのを習ったのではないでしょうか。この様に、前置詞が指定する時間はat < on < inの順に長くなっていきますので、例文1の様にatとある場合には、その後が時刻でも週でも月でも、実施のタイミングを厳格に守る必要がある・・・と言うことを示しています。

 byとuntilは似て非なるもの

次に、例文45にあるbyuntiltill)の違いを考えてみましょう。

和訳の際に、これらを気軽に「~まで」と訳していないでしょうか?実は、byuntiltill)の意味にはとても大きな違いがあるのです。

例文4byは「完了の時点」を表していて、「身体検査をfinal visitまでに実施する」と言う意味です。ですので、final visitまでの期間内なら身体検査を明日やってもいいし、final visitの直前にやってもいいということになります(但し、治験実施計画書等では実施時期がきちんと規定されているのでしょうが…)。

一方、例文5untiltill)は「ある時点までの継続」を意味していて、「身体検査をfinal visitまで継続的に実施する」ということを表しています。従って、untiltill)ではfinal visitになるまで身体検査をやり続けることになります(但し、こちらも治験実施計画書等に実施時期が規定されているのでしょうが…)。

では、次の2つの文の意味の違いが解りますか?

a.     She will not come by 4 o’clock.

b.     She will not come until 4 o’clock.

この2つの文は自然な英語表現ですが、意味的にはかなり違ってきます。どちらも「彼女は4時まで来ないでしょう」という意味なのですが、文aは「by:完了の時点」ですので、「彼女は4時までには来られない」ことを表していて、5時か6時かは解りませんが、その後に来ると言う意味になります。

一方、文bは「unitl:ある時点までの継続」ですから、「彼女が来ない」と言う状態が「4時まで続く」と言う事を表していますので、byとは違って「4時になったら来る」と言う意味が含まれています。

 overとthroughの違い

では次に、例文67にあるoverthroughの違いを考えてみましょう。

和訳的にはどちらも「試験期間を通して」と言う意味になりますが、throughの場合は「起点(始まり)」と「終点(終り)」が明確になっていて、その期間中何かを行う事を意味しています。

一方、overは、「起点(始まり)」と「終点(終り)」を包含する更に広い範囲で何かを行う事を意味していて、実際の「起点(始まり)」と「終点(終り)」は曖昧です。

ですから、例文7throughでは身体検査を「起点:試験開始時」から「終点:試験終了時」までとおして行う事を意味しています。この時、「起点:試験開始時」より以前、あるいは「終点:試験終了時」の以降に身体検査を行っているかどうかには言及していません。プロトコール等での表現の場合であれば「スクリーニング期や追跡調査期を除いた、試験(投与)期間中をとおして…」というイメージです。

これに対して、例文6overは試験期間だけでなく、その前後も含めた範囲で身体検査を行う事を意味していますが、具体的に何時から(起点)何時まで(終点)行うのかには言及していません。プロトコール等での表現の場合であれば「スクリーニング期や追跡調査期も含めて、試験(投与)期間中をとおして…」というイメージです。

 beforeとafter

例文89beforeafterはそれぞれ「~前に」と「~の後に」と言う意味です。

しかし、beforeには「~する前に」とか「~しないうちに」という意味が含まれ、afterには「~した後に」とか「~が済んでから」と言う意味が含まれます。このとき、「~」は時間的にbeforeやafterに含まれてきません。

従いまして、例文8beforeは「final evaluation(最終評価)」が行われる前に身体検査をすること、即ち、身体検査を行ってその結果を見てから最終評価をする、と言う意味になります。

同様に、例文9afterは「final evaluation(最終評価)」が行われた後に身体検査をすること、即ち、最終評価を行ってその結果を見てから身体検査をする、と言う意味になります。

 原因・理由を表すfor

日本人は「for」が好きだ…とよく言われますが、確かに日本人が書いた英文を見ますとforが度々出てきます。

forの語源は「前に」だと言われています。そこから 前に進む=~に向かって=~に繋がって[=for Shin-Osaka(新大阪行き)] という意味に進展し、さらに方向を示すことから目的、目標を意味したり、追求を意味する「~のために」、「~を求めて」、「~に関して」という意味が出てきました。

例えば、look for ~(~を探す)は「~を求めて(for)見回す(look)」と言うのが本来の意味です。同様に、wait for ~(~を待つ)、call for ~(~要求する)、plan for ~(~を計画する)などが派生してきました。

さらに、「~のために」、「~を求めて」の意味から 交換=対価=イコール と言う意味が出てきて;

I paid 100 dollars for the medicine.(その薬を100ドルで買った)

などという使い方が出てきました。

イコールと言う意味で、 mistake A for B = ABと間違える と表現される訳です。

さらに、この 交換=対価=イコール 意味から;

I was fined 15,000 yen for parking.

(駐車違反で15000円の罰金を科せられた)

などという使い方も派生し、駐車違反と罰金がイコールで「交換」されたことになります。

この場合、交換に原因(駐車違反)と結果(罰金)の関係が成り立っていますので、ここから「原因・理由」を表すforの用法が出てきました。

日本文の特徴は、結論に至るまでに様々な言い訳(理由や状況の説明)を並べますので、日本人は感覚的に「原因・理由」を表すforが好きなのでしょう。

 患者を表す前置詞with

次の( )の中に入る前置詞は何でしょうか?

Patients (    ) diabetes mellitus.

英語では、糖尿病患者や癌患者をDiabetic patient Cancer patientなどとは表現しません。この様に表現しますと、「生まれた時から糖尿病患者あるいは癌患者であり、治療しても治らない」と言う意味を含んでしまいます。

一方で、Japanese patient(日本人患者)やCaucasian patient(白人患者)と言う表現は可能で、その患者さんは生まれた時から「日本人」あるいは「白人」で、治療しても変わらないですよね。

病気にかかった患者さんの表現は決まっていまして、 

patient前置詞with+疾患名

となります。従いまして、糖尿病患者及び癌患者は、各々patients with diabetes mellitus 及びpatients with cancerと表現します。

前置詞withには「具有」の意味があります。例えば;

I have 10 dollars with me.

と言えば、「所持金は10ドルです」と言う意味になります。これは、「いま私が持ち合わせている現金が10ドル」ということです。Withは「伴う、一緒にいる」と言うのが本来の意味ですので、10ドルがいま私と一緒に居る…と言う事を表しています。

これから派生しまして、英語的には、病気とか症状・徴候と言うのもヒトが一時的に保持しているもので、適切に対処すればやがては消失するものと考えます。ですから、糖尿病が一緒にいる患者と言う意味でpatients with diabetes mellitusと表現します。

この様に言いますと、patients of diabetes mellitusでも良いように思われますが、このofは「属性」を表し、「本質的に糖尿病という分類に属している患者」と言う意味で、こちらも「生まれた時から糖尿病患者であり、治療しても治らない」と言う意味になりますので、注意しましょう。

ただし、投稿論文などではWord数が限られたりしていますので、間違いを承知でpatients with diabetes mellitus ではなくdabetic patientと表現している場合があります。

前置詞が連れてくる名詞(句)と言いますと、なんとなく付け足しの語句の様に感じますが、情報を伝達する言語という意味では、単なるpatientsよりもwith diabetes mellitusの方が重要な語句となります。

デハデハ

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