皆さん今晩わ、translater-pertnerの津村です。

本日は、メディカル(医薬)翻訳の特徴について、少々話をしたいと思います。

いわゆる翻訳には大きく3分野ありまして、ビジネス翻訳と文芸(出版)翻訳と放送映像翻訳に分かれています。

文芸翻訳では、小説や雑誌、最近人気の絵本、ビジネス書など、様ざまな出版物を翻訳します。その特徴は、読ませることにあるため、翻訳者に魅力的で文学的な表現技能が求められます。

放送映像翻訳は、メディア翻訳とも言われますが、テレビや映画の字幕や、日本語吹き替えの台本などを作ります。特に字幕では、出演者の台詞や場面の情景を30~50字程度の短い文章で表現することが求められ、要約する技能が必要となります。

さて、メディカル翻訳が属するビジネス翻訳ですが、全ての翻訳の8割以上を占めていて、コンピュータや自動車、電気、医療などのテクニカルな分野で発生する翻訳です。翻訳技能に加えてその分野の専門知識が必要となります。なお、ビジネス翻訳の中でメディカル(医薬)翻訳が約30%を占めると言われています。

ビジネス翻訳の特徴は、読者が翻訳物を読んだ上で、何らかの行動や意思決定を起こすことにあります。例えば、再生医療の論文であれば、それを読んだ読者(医療技術者)がその治療法を評価し、再現できる必要があります。従いまして、翻訳文に芸術的表現などは必要なく、簡潔明瞭で誰が読んでも誤解しない、一意に理解出来る文章が求められます。

メディカル(医薬)翻訳と言うと、極めて難解な最先端の医療技術を翻訳する・・・と思われがちですが、外注される翻訳業務の大半は、医薬品や医療機器の開発・承認に必要な定型文書なのです。

つまり、メディカル(医薬)翻訳での最大のクライアントは医薬品メーカーと言うことになります。

以下の一覧は、大手翻訳エージェントが1年間にメディカル(医薬)翻訳として受注したドキュメントの種類です。

1.基礎研究・非臨床関連: 治験薬概要書、CTD、動物試験等画書、試験報告書など

2.化学・製造・品質管理関連: CTD、規格・試験方法、バリデーション資料、安定性試験報告書、製造指図書・記録書、分析証明書、薬局方、安全性データシート、ドラッグマスターファイル、SOPなど

3.臨床開発・承認申請関連: 治験実施計画書、治験薬概要書、治験総括報告書、CTD、STED、同意説明文書、機構相談、照会事項、解析計画書、当局通知、SOPなど

4.安全管理関連: 製造販売後臨床試験実施計画書・報告書、CIOMS、症例報告、安全性定期報告書、RMP、使用成績調査、添付文書、インタビューフォームなど

5.論文・学術出版関連: 投稿論文や参考文献などの学術文書、学会発表資料など

6.広報・宣伝・社内文書など: 医療関係の広報・マーケティング資料など、プレゼンテーション資料、教育研修資料、製品カタログ、Webサイトなど

いかにも難しそうな名前の文書が並んでいますが、この内の1番~4番は、薬機法(かつての薬事法)で規定されている、医薬品メーカー等が作成しなければならないドキュメントで、かなりワンパターンなものです。

どういうことかと言いますと、例えば、治験薬概要書とかCTDとかインタビューフォームと言えば、武田薬品さんであろうが、Pfizerさんであろうが、エーザイさんであろうが「あ~、あれね」と、共通にイメージできるドキュメントだと言うことです。

つまり、メディカル(医薬)翻訳者を目指すのであれば、特に1番~4番の文書がどう言うもので、どういう風に使われ、読者が誰なのかを知っておく必要があります。

逆に言えば、これらのドキュメントの名前を聞いて、パッとイメージが浮かぶようになれば、一流翻訳者の仲間入り・・・ということです。

メディカル(医薬)翻訳にはその他にも幾つか特徴がありますが、続きは次回に!

 

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